愛しい心



私の世界にいつもあなたがいっぱいだから

私はどんどんちいさくなるばかり

でも心は愛しい想いであふれているんだ

小さい私の大きな心

あなたが私の世界の全てを占めるから

私の瞳には何も映らない

あなた以外のものは何も






水平線



いつもそうやってあなたは

私を守ってくれている

どんなささいなことまでも

だからどうしようもなく

あなたを頼ってしまう

いつからか

自分の足で立つ事を

忘れてしまった

どんどん小さくなる私

でもあなたのために

私のために

しっかりと自分の足を地につける






これが私



今、この場所でたたずんでいても
大きな声が出せなくても
その一歩が踏み出せなくても

いいじゃない

これが私なんだから

ここから立ち上がるのも
透明なドアを開けるのも

私なんだから

これが私なんだから






垂直な角度



これほどまでに退化した瞳が
私の脳裏に執拗なまでに
訴えかける
もっと見えるはずだ
もっと前が見えるはずだと






空間で



いっぱいしゃべって、いっぱい笑って、いっぱい動いて
そして一息ついて疲れてしまう

いつも何の気なしに見ているテレビでも
話す題材は無限にあるんだ

早口でいっぱい話して大きな声で呼びかける

それで疲れても
その空間で私は一人で笑ってしまう

そんな自分がちょっと愛おしく思えたりするんだ






流されたい




流されたい
何も考えずに
ちょっと頭を休ませてよ
私にだってそれは必要なことでしょ
この場所にずっと立ち止まっている事に
意味がないのは
私が一番よく解っている






約束



あなたの寝顔を

今となりでそっと見てるよ

あなたの寝顔がとても愛おしくて

あなたのその頬に

私の頬を寄せてみる

あなたとした約束

私は絶対守るよ





ひかり



まだ眠いよ

うとうとして
起き上がって
しっかりと目を開けるけど

眩しくて

ひかりが眩しくて

ファンヒーターからの温かい風と
エアコンの音

ついているのに
窓の外から差し込むひかりで見えないテレビ

レースのカーテン越しに
外を見ても

ひかりで何も見えない

やわらかなひかりが

いっそう眠気を誘う

淹れたての紅茶の湯気が
ひかりと混ざって
白く揺れる

ソファにもたれて
また眠ろうとする

白くやわらかなひかりに包まれる

心地よい時間

ソファに座った
あなたを見ると

もう何時間も前に起きたかのような
さっぱりとした表情で
テレビを見て笑ってる

休日の優しいひかり






この空気



この雨がやんでも

やまなくても

この空気が心地いいの

窓越しから外を眺めたり

少し窓を開けたり

部屋に戻って

一息ついたり

この空気がとても好き

あなたと

熱い紅茶を飲みながら

過ごすこの時間

この空気






月光



月の光には

美しい何かを感じる

やわらかな包容力

鋭くて強い眼差し

憧れる女性のイメージは月光

ああ

こんなにも

小さくなっていく私は

無力でしょうか

ただ

大切な人を好きだと思うだけ

だけど

どんどんどんどん

私は大切な人を困らせるばかり

月の光に照らされて

強くたくましい自分を想像する

夜空に輝く光






この手に この心に



私はただ

ただ

混乱しないように

私の感情をコントロールしようとする

私にはわからないんだ

ただ
ひとつだけ

確かなものは

この手に

この心に
抱えきれないほどの
あなたへの想い






瞳のことば



あなたがこんな風に
私を見つめて

少し怖い顔をしているように思えるのは
何故なの

逃げている

あなたはいつも
その言葉を
間接的に言ってきた

それはあなたの優しさで
あなたの想いが痛いほど伝わってくる

私は

もう逃げない

籠の中で弱く小さくなっている自分を

もうここから巣立たせる
用意はできている

あなたの言葉で
あなたの想いで

何より私の意志で

ここから巣立つ

あなたと対等に

あなたの横に並んで

これからをもっと輝かせる






闇の色



すっかり暖かくなった部屋の窓を開け
外に出てみると
外はすでに闇で包まれる

向かいの台所の明かりと
雑木林の向こうに見えるうっすらと暖かい光
そして夜空に輝く星

ゆったりとアップにした長い髪の後れ毛が
優しく首筋に揺れる
静かな風

氷水を飲んだ時の
あの喉を通る清涼感のような風

闇は
光の色をのせて
風を運ぶ






輪郭



灯りを消した部屋で
スクリーンから眩しく光る光は
とても眩しすぎて
ふと部屋中に目をやると
一瞬の鋭い光線が広がる

ささやくような小さな歌が聞こえるこの空間で
耳に入ってくる言葉が焼きつく

寝ているあなたの輪郭がとてもきれいで
正反対の世界観が私を小さな混乱に招きよせる

私の頭の中の声が
心をかき乱して
一体どこに導いてゆくのだろう

あなたの優しさを
気付かない振りして
こうも残酷に
ノイズを手繰り寄せる私を
許してください

強くなるよ
いつも言ってる私は弱いだけなのか

でも私はあなたの愛情そのものを深く包む愛を
強さを信じて疑わない






優しい



あなたのその一言一言が

とても心に響く

何気ない一言に

こんなに心があたたかい

この手に掴んだ強い意志を

貫くことも

あなたが教えてくれた

決して厳しさだけでない

優しいという言葉

いったい

どれくらいの

あなたの気持ちが私に伝わるのだろう

きっとそれは無限大

私の気持ちもそのくらいあなたに伝わっていると

あなたは私に言ってくれた

無限大に